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YouTubeの怖さ

kage

2025/01/23 (Thu)

小難しく話が長くなりそうなので、最初に結論を言います。
YouTubeとタイトルに書きましたが、べつにYouTubeに限らず、いわゆるネット、デジタルツールといった21世紀になって登場してきたそういうモノは、資本主義をシュリンク(小さくしている)してるのではと感じる。ということです。さらには人の生き方、価値観の根本的なところを突っついているように感じる。

筆者は経済の専門家ではありませんから、論理的、数値的に説明はできません。できませんが、感覚的には言える。

筆者の世代は「価値には対価を支払え」ということが当たり前のことでしたよ。良いものには手間がかかり金もかかっているからそれなりの金額になる、価値の高さ=金額の大きさ、だった。

それが最近頻繁にYouTubeを使うという筆者自身の体験で「これって価値が無料で提供されているじゃないか」「これって資本主義じゃないじゃん」と感じた訳です。具体的な話をぶっ飛ばして結論を言うと、この文の始めに述べたことです。

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言いたいことは上記で以上なのですが「なんでそう思うのか?」がサッパリ説明できてませんから、下記に具体的な話をします。が、全く面白い話でも何でもないので、ここで閉じていただいて構いません。余裕のある方のみ読み進めていただければと思います。恐縮です。

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先に申し上げてる通り、べつにYouTubeに限った話じゃないですよ、ネットの登場で出版・印刷がダメになったのはもう20年も前からで、本屋が潰れ、サブスクでビデオレンタルがダメ、CD店閉店、Tsutayaなんて本とDVDとCD売ってたんだから見事に続々閉店、別事業形態で面目保ってるけど、喫茶店が今求められてる事業なのか?と私は思うよ。

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それでYouTubeですけど、具体的に言いましょう。その前に前提になる「私の趣味」を言います。
私の趣味一つに映画音楽、サウンドトラック(いわゆるサントラ盤)をコレクションすることがあります。

この趣味は中学生の頃からで、当然昔はレコードですよ。当然近年(まで)はCDですよね。買ってた訳ですよね当然。
それがさ、まあ、すっ飛ばして言えば、YouTubeでタダで転がっているではないの?

「いやそれは著作権無視、違法なモノがあるだけのことですよ」「YouTube上で商売成り立たせてるのもありますよ」と突っ込みが入るだろうと思いますよ。

ですが、まあ、具体的に申し上げないと伝わらないので具体的に言わせてください。

YouTubeがいつからあるのかハッキリ知りませんが、まあ十年以上前からあったと記憶します。もちろん、以前から私自身もぽつりぽつりと使っていて、私の趣味である映画音楽が転がっているのも認識していて「これは!」と思うモノはダウンロードしてウォークマンに入れたりしてましたよ。著作権違反をダウンロードすることも違法なのでしょうが、そもそもそれが著作権違反のモノなのかどうか分からないじゃないですか。

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先日、YouTube上で登録した「番組」は映画音楽作曲家別の「番組」で、ボリュームとしてはCDに例えると数千枚に値するのではなかろうか。

筆者の好きな作曲家は、007モノで有名なジョン・バリー、スタートレックなどのジェリー・ゴールドスミス、ロボコップなどのベージル・ポールドゥリス、ベン・ハーなどのミクロス・ローザ、などなど。そして注視すべきことは全員故人であるということ。つまり新作は、過去の映画の原版の未発売の曲を掘り起こさない限り有り得ない。

つまりこれら作曲家の新作は基本的には無い。ではマニアはどうすればいいのか、過去に買い損ねていたモノをネットで探して買えばいい。買えばいいのですが、YouTubeにあるじゃないのタダで。

つまりコレ、資本主義のシステムから外れてる。

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上記で申し上げた「映画音楽作曲家別番組」ですが、よくよく見たら「からくり」がありましたよ。
つまりね、その番組の「作曲家A」のコーナーであれば、YouTube上にバラバラに転がってるYouTube動画をリンクでまとめてあるだけなんですよ。著作権無視だろうが正規だろうが宣伝だろうが「作曲家A」の名が付いてる他人の動画をまとめてるだけ。だけなんですが、いやこれは便利、有用、ということですわ。

いやに昔の映画音楽が多いなと思ってましたが、気が付きましたよ、著作権切れなんだわ。こりゃ違法でもなんでもない。堂々とできる。筆者の好きな作曲家ミクロス・ローザなんて戦前から活躍してんだから、著作権とっくに切れてるわ。それでマニアにとっては「それで良し」なんだから、何の問題も無い。

そしてね、ダウンロードするまでもない。スマホを外付けスピーカーに繋いでそのまま聞けばいい。音質問題ないもん。

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ということで「そうですか、良かったですね」という話なのですが、これ実はとても怖いことなのではと私は思うわ。
筆者のYouTubeの話は映画音楽の話に過ぎませんが、同じようなことが別ジャンルでも発生してるのではないでしょうか? 
それもYouTubeに限ったことではなく、別のネット関連とか、別のデジタルツールとかで発生してるのではないでしょうか? 

いやもちろん、それなりの商取引をしてるところもあるでしょう。広告費も入るでしょう。でもそれはひと昔前の資本主義商売と比べ、金額が二桁ぐらい違うんじゃない? ひと昔前と比べると「お小遣い」みたいなもんでしょ。筆者が「シュリンク」という言葉を使ったのはそういうことな訳です。






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