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橋口監督について思うこと

kage

2017/10/21 (Sat)

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 『橋口監督について思うこと』

 橋口監督の最新作である2015年公開の『恋人たち』をGEOのレンタルDVDで観る。本題に入る前に何故、「GEOのレンタルDVD」なのかちょっと述べさせてください。

 筆者(fanta)は橋口監督のファンである。ゲイを公言していることや、ブログなどに見られるその言動などにも好感を持っている。にも拘わらず、何故、2年前の新作を今更ビデオレンタルで観ているのかということ。

 もちろん、公開時(2年前)、映画館に見に行くことを検討しましたよ。ところがやってるところが、筆者(fanta)が知る限り、東京ではテアトル新宿と、横浜では館名失念しましたが、いずれにせよミニシアター1館のみ。両方とも駐車場無し。

 それ(車で2人で行く自分には駐車場無しは難しい)を某掲示板に書き込むと、わざわざ安い駐車場を教えてくれた人が居ましたが、「満杯だったらどうするのか?」とか、「駐車料金自体が映画鑑賞において全くの無駄である」ということで、映画館には行かず、wowow放送を待つ。ということにしました。

 掲示板では、「製作が松竹関連なのでスムーズにwowow放送になるかどうか?」という話にもなりました。案の定、公開から2年経ってもwowow放送は無し。

 同じくなかなかwowow放送が無い『ジェイソン・ボーン』をGEOレンタルで借りて見終わって、GEOに返す時に、「そういえば『恋人たち』・・」と思い出し、GEOスタッフに探してもらって、1枚だけあった『恋人たち』のDVDを税抜き80円で借りて観たという訳でした。

 ここまで、上記、GEOで『恋人たち』を借りて観た理由です。



・映画商品としての『恋人たち』

 上記の筆者(fanta)のGEOの件に見られるように、筆者(fanta)がGEOに80円払って、一体、いくらが『恋人たち』の製作陣に渡るのかと思うと愕然としますね。

 いわゆる小品が、シネコンで上映されるのと、ミニシアターで上映されるのとでどちらが有利なのかは、筆者(fanta)は知りません。知りませんが少なくとも筆者(fanta)のような、今や車でスパッとシネコンで観る鑑賞者にとっては、1日1回でもシネコンでやってもらった方が、千数百円、映画鑑賞にそのまま充てますよ、

 シネコンが買ってくれなかったのか、ミニシアター上映が有利と配給が判断したのか、いずれにせよこの時点で、『恋人たち』という映画商品は負けていると思いますね。

・『恋人たち』の感想

 良かったです。ただし「痛い」作品ですね。「痛い」とは、それこそ人の苦悩とかそういう意味での「痛さ」。それがよく描けていますよ。ただし人に勧められる作品ではないです。それこそ面白い映画ではない。

 橋口監督については言いたいことが多くあるのですが、長文になってしまうので、また機会があれば言います。が、次の新作(何か言う機会)はいつになるやら、優秀な監督なら2年後(つまり今頃)であってもおかしくないのですが・・。

 橋口氏のブログを見ると正直、心配です。一時期はもうやる気がなくなったなど弱音を吐いたり。

 「二十歳の微熱」のメジャーデビューから、数々の賞を受賞している才気ある映画監督が、必ずしも裕福ではなく、生活に困る経済状況であったり、騙されたり、金盗られたり、うつになったりと、散々じゃないですか。

 そういう散々な目にあった人の「痛み」が『恋人たち』に実に表現されてますよ。と言うか、橋口監督って、作家として「私小説作家」と筆者(fanta)は定義します。

 自分の身の回りで起きた出来事しか描けない。嘘をつけない、虚構を描けない作家だと思う。そういう作家って、七転八倒するんですよ。これって定説なんだよな。